■ 2000年7月1日 憧れの曲
■ 2000年7月9日 滞り
■ 2000年7月16日 舞州
■ 2000年7月22日 エレキヴァイオリン、FV-1との出会い
■ 2000年7月23日 新しい音色
■ 2000年7月30日 さらに停滞
2000.07.01 土曜日 この日は、久し振りに事務所でのレッスンでした。梅雨の合間の晴天でしたが、高い湿度と温度、さらに風が無いという条件が重なって、屋外はとても蒸し暑かったです。
レッスンでは、前回に引き続いてカノンの曲をやったのですが、まだ上手くリズムを合わせる事が出来ず、苦労しました。やはり、ペースを乱さないようにするのが難しいです。
今回はいくつかの課題をクリアしたので、次の項目に進む事が出来ました。しかしその曲は48小節もある長い曲で、さらに移弦・リズム・ポジション移動など、色んな面において複雑でした。今回も高いハードルになりそうなので、録音をじっくりと聴いて復習しようと思います。
今回は、ヤマハでレッスンを受けている方のお話を聞く事が出来ました。その方の教室では、2人組でグループレッスンをしているのだそうです。教室によっては、グループレッスンのメンバーが何人未満になると解散する、という制度があるらしいです。レッスン生の人数が既に解散ぎりぎりという教室に当たってしまい、解約するのに躊躇してしまう事例、というのもあるのだそうです。
事務所に居合わせた面々で、その方の持ってきていた教本を見てみると、まず、なにやら「全ての音符の上下」に番号が振ってあるのが目に付きました。僕は暫く何のための番号なのか分からなかったのですが、音符と見比べていてピンと閃きました。どうやらどの弦を弾くか・どの指で押さえるか、というのを数字で表したもののようです。これを見ながら弾くのはかなり辛そうだと感じました。
本当にいろいろな教え方があるものだなぁ、と、これで何度目なのかわかりませんが、改めて思いました。
事務所からの帰り道には楽譜店(ササヤ書店)があるので、久々に立寄ってみました。そこで目に入ったのが、事務所で借りた幾つかのCDを聴いて以来、とても気に入っていたドヴォルザークの「スラヴ舞曲第10番(第二集第二番)マズルカ」でした。今の段階では弾けるわけが無い、ということは分かっていたのですが、憧れの曲だったので衝動的に買ってしまいました。
家に帰ってじっくりその楽譜を読んでみると、旋律の大部分が重音で構成されていたり、何気なくフラジョレットがあったり、32分音符と64分音符が飛び交っていたりします。曲のエンディングには、E弦ファーストポジションよりも3オクターブ上のG♯(補助線が4個ある上に8va.と書いてある)なんてのもあります。こんな、見るからに難解な曲を優雅にサラサラっと弾き通すのには、あと何年位掛かるのでしょうか…。
ものは試しと、最初の10数小節程に挑戦してみましたが、頭が混乱し、そして指はもつれ、攣りそうになりました。
ところで、発表会で演奏した曲「ブーレ」の評判が良かったようで、同じ門下生の中にも、弾いてみたいという人が居たそうです。元の曲自体が良かったのもあるとはいえ、結果的になにかしら印象に残るような演奏をすることが出来た、というのは嬉しいです。
2000.07.09 日曜日
今週はとてもハードな一週間でした。会社から帰宅するとあとは準備をして寝るだけ、朝起きると出勤するだけ、という日々が続いていました。あまつさえ土日も出勤です。おかげで練習時間は全くとれませんでした。
この日は午前中のレッスンだったのですが、寝坊してしまったので練習する暇もなく、急いで先生のお宅に向かいました。そんなわけで、レッスンの方は全くと言って良いほど進展がありませんでした。レッスンに行って初めて弾いて練習をしている、という有り様です。
レッスンが終わった後、先日買った楽譜をさわりの部分だけ教えて頂きました。といっても、ポジション移動が山ほどあり、しかも旋律は重音の連続となると、指の進行を覚えるだけでも破滅的な難解さでした。少し挑戦してみたのですが、重音は滑らかに鳴らず、指は固まっていました。先生の弾いているのをじっくりと観察して、気付いた部分を楽譜にメモしていきましたが、今回書き込んだ程度の量では、まだまだ情報量が少なすぎると感じています。
初めのうちは単音で練習しておけば良いと言われたので、ポジション移動だけは守って、時間の有るときにゆっくりと練習しようと思います。基礎をじっくりと練習してから、演奏出来るところが増えてきたら、また先生に見てもらおうかとも思っています。
細かい音楽的な部分は、短期間では到底無理だろうけど、とりあえず3年くらいで「ゆっくりと全ての音符」を弾けるようになりたいです。
ところで気が早いですが、もう次の発表会の曲をどうしようかと迷っています。先生は、映画音楽でも古典でもポップスでもなんでも好きな曲を弾けばいい、と仰っていました。ヴァイオリン向けに作られた曲、特にヴァイオリニストが作った曲などには難しい曲が多いようで、そういう曲を選ぶのではなく、ピアノ曲などの旋律部分のみをヴァイオリンで弾く、という手があるそうです。
もちろん、スズキ教本の曲集にも良い曲があるとは思いますが、あまりに「定番」っぽい楽曲は好きではないので、次回は自分の趣味に走った曲を弾くことが出来たら良いなと思います。
2000.07.16 日曜日
舞州に行ってきました。心地よい海風が吹く中、日中での練習をしようという目論見です。初夏とはいうものの、水際という立地のおかげで常に風が吹き続いているので、それ程暑さは感じませんでした。この舞州は、まだ開発途上の人工島で、人気のあまり無いところです。やはり周りに気兼ねなく、思い切り音が出せるというのは気持ち良いものです。練習にも精が出るというものです。
周辺を散策していると、芝生のある、屋根が付いていて休める場所を見つけたので、そこに楽器を置いて陣取りました。
前述の通りに風が吹いているので、練習の前に、まず楽譜が飛んでしまわないような工夫が必要でした。初めは洗濯挟みで譜面台に楽譜を固定していたのですが、重心が上の方にあるので、風が吹くと譜面台ごと倒れてしまいました。結局、譜面台の軸の部分を足の指で挟んで固定することになりました。少々無様だったので、次回からはもう少しスマートな方法を考えねばなりません。
そうして夕方まで練習していたのですが、この頃になって出てきたのが野外活動の敵である「蚊」たちでした。虫除けスプレーを使っても襲ってくるという、根性のある奴等でした。日除けが無くても良いくらいに涼しくなってきたので、芝生から離れることにして、もう少し海際の方へと移動することにしました。
木々や芝生などの無い海際まで移動すると、さすがに蚊はやってきませんでした。ところが、そこでまた数十分ほど演奏していると、次々と調弦が狂ってゆきました。五分も演奏しているとどこかの弦が伸びてきているのを感じました。楽譜をめくるときに、ジメっとした手触りがして初めて気が付きました。そう、いつのまにか湿気が忍び寄っていたのです。海際に移動したのだから当然といえば当然なのですが。
楽器表面を触ってみると、既に少し湿ってきているのがわかりました。僕は即座に楽器と弦と弓をハンカチで拭き、ケースに仕舞いました。あまりに急いでいたので、駒が歪んでいないか確認するのを忘れてしまっていました。
そうこうしているうちに、ちょうど日が沈みかけ時間切れとなりました。あまり集中して練習することは出来ませんでしたが、まぁなんとか練習不足の解消くらいになったかな、といった感じでした。
ついでといってはなんですが、この日は皆既月食があったので、そのまま舞州の波打ち際で、月が全部掛けてしまうまで観賞してから帰りました。地球照で浮かび上がった暗褐色の大きな月は、不気味でしたが、それでいて美しさを感じました。
あれだけ弦が伸びて調弦を繰り返したのだから、さぞかし駒周辺に負荷が掛かっているのだろうと心配だったので、帰宅してからすぐに駒が歪んでないか点検しました。すると、幸運にも正常な立ち方・角度をしていたので安心しました。念のため、再度楽器と弦と弓を布で拭いておきました。
2000.07.22 土曜日
Fender社からFV-1というエレキヴァイオリンが出ているのを、難波CITYにある楽器店で見かけました。店頭に置いてあったのは黒色でしたが、他に白色のものがあるのだそうです。早速試奏させて頂きました。
試奏させてもらっての第一印象は、ヤマハのサイレントヴァイオリンと同じように音量は小さかった、ということでした。
左肩の位置に、エレキギターのようにプラグを差し込むソケットが付いていて、出力はそれのみ、という単純な構造です。音量を増幅させる回路は付いていないようでした。表板には、ボリューム調整用のつまみと、おそらく音質を調節するつまみがありました。
アンプにマイクからとった「そのまま」の音を直結できるというのは、大音量を必要とするライブなどの場合にはかなり有効だと思います。
その楽器店では、ラック型のエフェクターを経由して音を聞いていたのですが、その音色は今までに無い、斬新なものに感じました。エフェクターを少し弄るだけで、全く違った雰囲気の音が出るので、予想以上に楽しめました。
店を後にする頃には、そのエレキヴァイオリンにはあまり興味も残らず、何故かエフェクターのカタログを数点手にしていました。
2000.07.23 日曜日
レッスンを始める前には、まず調弦をします。ほとんど楽器に触ることが出来なかった今回は、調弦を終えるのにかなり時間が掛かってしまいました。何故か、少し上の音で合わせてしまうという傾向がありました。
僅か10日程度でしたが、ほとんど楽器に触れない日々がしばらく続くと、さすがに腕が鈍ってしまっているのを感じました。気付かない所でも、いくらかは後退してしまっているのかも知れません。
レッスンではヴィブラートの掛け方がおかしい、という指摘がありました。これは、手首を揺らすように動かしていて、自分では掛けたつもりになっていたのですが、実際聴いてみるとそれほど掛かっていなかった、という現象です。親指の付け根を支点にして前後に「指を」前後に傾けることによって、より深いヴィブラートが掛かる、ということが分かりました。
また、元弓の部分で力を入れすぎている、という指摘もありました。これは、G弦を弾いているときで、弓の重みが余分に弦の上に掛かってしまい、音が潰れてしまった為でした。
レッスンのあとで、先生の演奏を見せて頂きました。というのは、主に弓使いの部分についてです。僕は未だほんの少ししか弓の表現力が無いので、どんな音のときにどんな動かし方をすれば良いのか、少しでも参考になればと思って、手首や肘・指先などについてじっくりと観察させて頂きました。
改めてそこだけに視点を向けてみると、嘆息するくらい一つ一つの音符に対して細かな違いがありました。無理なく滑らかに、そして出したい音色に対して的確に、弓を使っているのが良く分かりました。先生が仰るには、弓で弦を擦って音を出すのではなく、弓やそれにつながる腕・手首・指などのバネを全部使って音を出すのだそうです。
先日のエフェクターへの関心もあったので、この日の帰りに、自分の楽器をエフェクターに掛けたらどうなるのだろう、という軽い気持ちで心斎橋まで足を運びました。
まず最初に立寄ったのは、某有名楽器店のギター用品コーナーでした。敢えてこの店の名前は伏せておきます。
この店では、店頭に置いてある在庫が少なく、展示してある商品でもアダプタなどの付属品が揃っていない、という状況だったので、残念ながら色々と試して比較することは出来ませんでした。ちなみにこの店では2点ほど試したのですが、アンプでは微かな音量しか出させてもらえなくて、店内に掛かっている有線の音量の方が大きかったくらいでした。アンプに繋げているというのに、楽器からの音量の方ばかり聞こえて、エフェクターの掛かった音自体はほとんど聞こえてきませんでした。そういうわけで、この店は客に商品を売るつもりが無いのだろうか、と不満をかなり残しつつ、早々に売り場を後にしました。
ただ、持参したマイクではきちんと音が拾えないのだそうで、ヤマハ製のピックアップマイク(1800円)だけは購入しました。店員さんは、このマイクはチューナー用のピックアップなので音質は最低だ、と言っていました。他には無いのか、と訊ねると、「当店にはそれしか無い」との返答でした。流石にこれには絶句してしまいました。結局買ってしまったのですが、この買い物は失敗だったかもしれません。
気を取り直して次に寄ったのは、三木楽器です。ギターなどの弦楽器のコーナーに足を運びました。
その店は通路が割と狭かったので、割と大き目の楽器ケースを持っていた僕は、少し邪魔者だったかもしれません。雑然と商品が並んでいたので、初めはどこに目的の商品があるのか分からなかったのですが、暫く店を巡回していてようやくそれらが並んでいる棚を見つけました。この店は先程の店と違って、結構品揃えが豊富でした。
そこで早速店員さんを捕まえて、どれがヴァイオリンに向いているのか訊ねました。すると、その店員さんはギター用エフェクターにアコースティックのヴァイオリンを繋いで使う、などという試みは初めてだったそうで、とても驚いていました。僕は特にこれといってどのエフェクターを試そう、とは考えていなかったので、その店員さんのお奨めを教えてもらいました。店員さん曰く、使えそうなのはBOSSの物でしょうということで、「GT-5」という製品を試させてもらうことになりました。
先程の店とは違い、この店ではアンプの音量を結構大きくして試すことが出来ました。ほぼ全てのエフェクトを片っ端から掛けて試して、結構楽しめました。楽しんでいる最中、心なしか周囲から妙な視線を感じましたが、気にしないことにしました。
気がついたら30分以上も遊んでいて、そのエフェクターの音をとても気に入ってしまいました。これだけ遊べるなら買っても損はしないかなぁ、と考え始めていました。しかし、予算の都合という大きな障壁と、ギター用なので、ヴァイオリン用に使うにはどうも不要な機能があるのとで、これの同系列のエフェクターである「GT-3」というものを試させてもらいました。これも音質的にはそれほど遜色なく感じました。さらに先程試したGT-5には無い、長い音を細切れに刻む、スライサーという面白そうなエフェクトもあったのとで、思考は一気に購入するという方向に傾いてしまいました。
せっかくだから、アンプもいっしょに購入しよう、とも思ったのですが、店員さんの「これ重たいですよ。アンプも一緒に買ったら、とても持って帰れませんよ。」という助言で目を覚まし、とりあえずエフェクターのみを買うことにしました。結果としては、アンプを買わなくて正解でした。なぜなら、ライブをやるわけでもないので、今のところ、大きな音を出す必要は全く無かったからです。
家に帰ってから、エフェクターを適当なコンポに繋げて、早速いろんな事をして遊びました。5度音程を下げてヴィオラにしたり、とか、コーラスを掛けて一人ストリングス、とか、反響をつけてホールで演奏している気分になったり、などなど。ヴァイオリン以外にも、本領分野であるエレキギターや、ヴォーカルマイクなども使って遊んでいました。
その他の機能としてチューナーも付いているので、音叉の固定ピッチで調弦する以外に、例えば445Hzで調弦するといったことが容易に出来るようになったのも、少し嬉しいところかもしれません。
しばらくは、これを使っていろんな音を作って遊べそうです。ただ一つ、ピックアップマイクの音質が悪いのだけが残念です。良いマイクが見つかればいいのですが…。
2000.07.30 日曜日
今回も全く楽器を触っている余裕が無く、レッスン前に30分ほどしか練習することが出来ませんでした。セブシック教本には手が付けられず、ホーマン教本を少しだけ練習して行きました。前回指摘されていたヴィブラートも、練習する時間が有りませんでした。
レッスンでは弓使いが硬くなっていることと、音程が不安定なことを指摘されました。1の指(人差し指)の位置がどうも定まらず、低い音程を取ってしまっていました。知らず知らずのうちに、音感が鈍ってきているんだなぁ、と思うと悲しかったです。
結局、30分ほどでレッスンが終わってしまいました。すぐに会社に戻らないと行けない事情もあり、この日は忙しない一日でした。