■ 1999年9月2日 先生のリサイタル。
■ 1999年9月4日 楽器をいろいろと試奏してみました。
■ 1999年9月11日 新しい楽器での初めてのレッスン。
■ 1999年9月15日 市民楽団の定期演奏会。
■ 1999年9月18日 左手の練習方法。
■ 1999年9月25日 緊張。
■ 1999年9月30日 新しい教本について。
1999/9/2 木曜日 先生のリサイタルに行ってきました。会場の「西宮フレンテホール」は思っていたほど広くなく、こじんまりとした感じでした。舞台にはグランドピアノと譜面台が設置してあり、落ち着いた雰囲気です。僕は少し早く着いたので、初めは1/3ぐらいしか席が埋まっていませんでしたが、開演時間にはほぼ満席になっていました。
曲目は、シューマンの「ヴァイオリンソナタ第一番イ短調作品105」、ブラームスの「ヴァイオリンソナタ第一番ト長調作品78『雨の歌』」などなど、様々な曲が演奏されました。最初の2曲(第一部)はソナタ形式なので、それぞれ第3楽章まであり、結構な聴き応えでした。また、技巧的な曲もあり、感動的な旋律の曲もあり、といった感じに色んな音色を楽しむことができ、かなり満足でした。数えてみると、アンコールのギターレという曲を加えると、なんと全部で10曲ありました。
その中でも僕が一番気に入ったのがショパンの「夜想曲第20番嬰ハ長調《遺作》」でした。僕は、ショパンに限らず夜想曲はどれも好きなのですが、今まで聴いてきた楽曲は全てピアノのものでした。初めて聴いたヴァイオリンの夜想曲は僕の心にすごく響きました。ああいう美しい曲を人前で弾いて感動させられるようになりたいです。
僕は、フィドルやジャズのヴァイオリンも少しは聴きますが、クラシックな曲ではどちらかというとスローでしんみりした曲が好きです。なんというか、哀愁のこもった高音部のヴィブラートや柔らかく甘いトーンの低音部など、とても心に訴えてきます。いつか、そういう音色の生かせる楽曲を自分の持ち曲にしてみたいと思っています。
1999/9/4 土曜日 レッスン4回目。前回はいろんなことに手をつけすぎて基本ができてなかったので、課題は4つぐらいしか仕上がってませんでした。でも、左手がかなり改善されている、とか、弓がちゃんと真っ直ぐ振れていると言われたのでそれなりに上達しているんだと思います。
今回言われたことを箇条書きで。
■ 左手
・指は、押さえる瞬間を速く力強くして、後は力を抜いてよい。
・指が準備できてから音を出し始めるようにする。
・指を押さえつづけることを意識しすぎて、必要のない指を押さえつづけたりして、無駄な力が掛からないように注意する。
■ 右手
・中弓からは圧力をかけてから弾き始める。そうしないと「ヒューヒュー」といった音が出てしまう。
・駒に近づけすぎないように、また弦に垂直に弓が当たるように気をつける。
・全弓と半弓など、弓の使い方を考えて練習する。
今回は、「そろそろ楽器を買い換えることを考えてみて。」と言われたので、楽器をいろいろと見せてもらっていました。予算を言うと4本ほど出してきてくれて、試奏させてくれたのですが、やっぱり自分のものとは全然音が違いました。既に持った感じからして軽さが違うし、自分のものではとても苦労して出していたE弦の音なども、それらの楽器では難なく一発できれいに出ました。
並べてもらった楽器を弾いてみて、やはりちゃんとした造りで整備が行き届いている楽器は、軽さ、弦の響き具合、音が体に響いてくる感じ、左手の使いやすさ、などいろんな面で違うなぁ、と感じました。自分の楽器を改めて弾いてみると音の出方にムラがあるというか、今回弾かせてもらった楽器と比べて自然に音が出せないと言うのを実感しました。
更にそれら4本を比べてみると、言葉で表現するのは僕にはまだ難しいのですが、これらもまた音の表情が全く違っていて、「基本は同じ楽器なのになぁ」と感心してました。
4本のうち気に入った楽器は2つありました。1つは見た目古そうな楽器で、これは古いせいなのか手に持った感じも軽く、乾いたような音が出ました。もう一方の楽器は、割と新しそうな楽器で、音は丸くて深みがあるものでした。ここで散々悩んていたのですが、先生からの「オーケストラに入るなら自分の音がちゃんと聞こえる方が良いだろう」という助言もあり、音がしっかりしている後者の楽器に決めました。よく分かりませんが、形はストリオーニモデル、と言うのだそうです。
で、弓はお借りしていたものがお気に入りになってしまっていたので、それに決まりです。
今まで持っていたケースは楽器が中でぐらつき、ちょっと可哀想だと僕も感じていたので、ケースも新調することにしました。いくつか出してきてもらった中から、角型とひょうたん型の中間のような、台形の形をしたものを選びました。出してもらった中では一番軽かったのですが、軽いとは言っても中身はしっかりしていて、楽器をしっかり固定し保護しています。強度的にちょっと不安がありましたが、ケースの内側にはちゃんと硬い心材が仕込んであって、なかなか丈夫そうです。
で、値段ですが、弓15万+楽器65万で合計80万円でした。まぁ、いくらか値引きはありましたが。でもこの楽器、以前は100万の値を付けていた事もあったっていうから、物の価値ってなんて曖昧なんだろう…と感じます。楽器ケースも、昔は20万円とかしていて、その上かなり重かったらしいです。
また、今回はレッスンの後、先生と工房の人と3人で楽器選びやら世間話やら楽器の調整やらで、3時間ほどいろんな話を伺うことができ、とても有意義に過ごせました。
家に帰って、早速夜に弾いてたら「ちょっと音が大きくないか?」と言われました。これからは1時間くらい早めに消音器つけないといけないかも知れません。次の日の昼間に練習していても、「音がめちゃめちゃ響いてるで」とか言われてしまいました。この調子だと部屋を閉め切って弾いていても、家の外に音が漏れていることと思います。
それにしてもいい音のする楽器です。今までと比べると、どう弾いても上手に聞こえます。楽器に負けない腕にならなくっちゃ。そういうわけで今後は、練習時間が大幅に増えそうです。
1999/9/11 土曜日 レッスン5回目。今回は数個の楽譜を重点的に練習してレッスンに臨みました。また、新しい楽器でレッスンする最初の回でもあります。地道に練習した甲斐があって、割と淡々と成果を披露できました。まぁ、その間いろいろと指摘はあるわけですが。
今回の課題は、A線E線のおさらいと、ついに3本目、D線の練習が入ります。4本とも弾けるようになるまであと一歩です。まだ一種類の音階(調)でゆっくりと8分音符、ですが。
やはり前の楽器とは音の出方が違うので、レッスンの途中で工房の人が出てきて、「すごく上達してるやん」と仰ってました。以前、「この中国製は楽器とは呼べない」と仰ってましたが、確かにわかります。今の楽器を持ったら、前の楽器で満足していた自分が信じられなくなります。価値観ってこんなに簡単にかわるものなんだ、と実感しています。
今回言われたことを箇条書きで。
■ 右手
・肩は上げない。
・肘を弦に応じて上下させる。楽器と腕とで四角を作るようにする。
・先弓のときは少し力を加えて、元弓は力を加えないように。
・E弦の引き始め(元弓&ダウンボウ)は、弓を着地させた後、下向きの力を全く加えずに弓を操作する。
■ 左手
・音程をしっかり意識して弾く。前もって指を用意しておかないと、正確な音は出ない。音が下がっていたり、上がっていたりする傾向をちゃんと聞き取り、対策できるようにする。
1999/9/15 水曜日 尼崎市民交響楽団
の第14回定期演奏会の日でした。団員の方からの希望で、リハーサルの録音とビデオ撮影を頼まれていました。
朝起きてテレビを見ると、台風…この日は朝から昼過ぎにかけて近畿地方を直撃し通過すると言うのです。何でこんな日に限って…。ま、自然災害だし、来てしまったものは仕方ないとあきらめました。
予備楽器として僕の楽器を持ってくるように頼まれていたので、雨大丈夫かな、と心配しつつ家を出ました。まだ小雨なので電車に乗るまでは平気でした。しかし、電車を降りていざ会場へ、というところで滝のような大雨。排水しきれずに道路の上には小川が出来ている…。駅から会場までは歩いて5分と無いのですが、傘を差していたのに拘わらず、ずぶぬれになって楽屋まで到着しました。
生まれて初めて入った楽屋は、たまにテレビで見かけるような所と一緒のような雰囲気でした。が、そんな感動を味わう暇も無く、早速録画と録音の操作の説明を受け、リハーサルを記録し始めました。団員さんたちにとってはこれが最後のおさらいなので、当然本番さながらの演奏を聞くことが出来ました。2回も、しかもタダで演奏会を楽しめるっていうのはお得な気分です。
リハーサルは音の調整ぐらいでそんなに注意や指導などはしないのだろう、と思っていたのですが、結構何度も弾きなおしをしていたり、「ここは絶対こういう風に弾くように」といった注意をしたりしていました。練習場と会場での残響の違いというのがあるのか、打楽器の音量のバランスは特に念入りにやっている、という印象がありました。
で、リハーサルが終わった後の昼休みに聞いたのですが、往々にして本番よりもリハーサルの方が演奏が上手なことがあるそうです。へぇ、そういうものなのかなぁ、とその時は思いましたが、やっぱり緊張するっていうのもあるんだろうなぁ、とも思いました。昼休みの楽屋はみんな各々の楽器で練習をしていたり、楽器を交えて談笑していたり、結構騒がしかったです。その雰囲気もまた普段味わえるものではなかったので楽しかったです。
もうすぐ開演というのもあり、気になっていた天気はどうなっているんだろう、と外を見ると、雨は上がり少し雲も減ってきたようでした。お客さんも会場の8割ぐらいは入っているようでした。
幕開けが刻々と近づいてきたので、僕は再び録音機材のある場所で待機していました。ところで、録音する場所は当然一番音のいい場所、ど真ん中です。これはとても優越感があるというか、幸せに気分になれます。いつもコンサートや演劇では席が端っこだったりで、まともな音場で聞けた例がなかったので。
本番もリハーサルと同じように卒なく…いかないものですね。それとも、練習やリハーサルで指摘されていたのを聞いていたので僕の耳が過敏になっていたせいでしょうか。でも、あのとき打楽器の人がトライアングルを落としたのは聴き間違いなどではないはずです。
あ、そうそう、楽曲はブラームスの悲劇的序曲Op.81、大学祝典序曲Op.80、ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調Op.92、アンコールがヨハン・シュトラウスの舞曲?(正確な曲名は不明)でした。
1999/9/18 土曜日 レッスン6回目。今回は淡々と復習をしていきました。左手の指がまだきちんと押さえられていないので、その辺りを重点的に指導していただきました。なんか、以前一度指摘されたところもあったりして、復習が足りないなぁとおもいました。
今回言われたことを箇条書きで。
■ 左手
・左手のひらは、あくまで顔のほうに向け、3番(薬指)と4番(小指)を押さえるときは指を伸ばすようにする。
・手首を指板にくっつけてもよいが、手の甲と腕とは真っ直ぐを保ち、反らさないようにする。
・できれば、全ての指を同時に指板に下ろせるようにする。
■ 右手
・弾き始めの際は勢いをつけすぎない。
・弓を返すときは手首や指の形(持ち方)を換える。ダウンのときは手首を左(先弓方向)に、指を曲げる(が、掴まない)。アップのときは逆にする。
・付点2分と4分音符、のように音の長さの比が、前3:後1の場合は、弓の長さは前2:後1のように使う。最初の音では弓をゆっくり使い、あとの音符のために余裕を持たせておく。
・なるべく全弓を使うように練習する。
・ダウンのとき、元弓1/3は、上向きに力を加えるが、残りは弓の重さを使う。
■ 初見の練習
・今弾いている個所の、次の音符・小節を見て、その通りに弾けるようにする。
1999/9/25 土曜日 レッスン7回目。前回と同様、今回も淡々とおさらいし、淡々と次の課題が出されました。
もうすぐレッスンに通い始めて2ヶ月になるというのに、まだ先生の前で弾くときは緊張してしまい、右手が硬くなってしまいます。練習のときはそんなことないのに、レッスンだと30分ほどで指が痛くなるほど握ってしまっていました。今更注意されることじゃないのに…。実は上がり性なのかも知れません。
今回から新しい教本を併用するようになりました。洋書で、ギリシャ語とドイツ語と、あともう1つの言語(わからなかった)でかかれています。というわけでタイトルの読み方は解りませんが、とにかく左手の練習用の教本です。ひたすら音のパターンの繰り返しがかかれています。
例によって箇条書き。
■ 右手
・力を抜く。
・4つの音のスラーを全弓で引く場合、最初の音はごくゆっくりと弾く。最初に音が出たら、あとはどんなにゆっくり弾いても音は鳴るので急いで弾かない。
・元弓のダウンはもっと力を抜いてもよい。
・移弦の時は、弓を目的の弦へ付け直してから、指を動かし、弓を動かし始める。
■ 左手
・人差し指の音が下がり気味になる傾向があるので、気をつけて弾く。
・中指を押さえてから薬指を押すとき、つられて下がり気味になるので、これも気をつける。
なるべく初見ができるように練習してますが、なかなか難しいです。音符を読みのがまだまだ遅いっていうのもあるけど、家には譜面台の代わりになるような適当な台がなくて、膝に楽譜を置いたりしてるので不自然な体勢で楽譜を見ないといけません。譜面台無しで楽譜を目の高さに置く、いい方法があればなぁと思います。譜面台を買えば一番手っ取り早い話なんですけどね。
1999/9/30 木曜日 新しい教本は左手の練習用だと思って練習してみたんですが、右手は常に単調に動かすことになるので、全弓のボウイングの練習にもなることを発見しました。
4つの音符で1小節分になっていて、それを繰り返します。要領は、初めは音符一つ=全弓で4つ弾き、次は音符2つずつを全弓のスラーで、最後に音符4つをまとめて全弓のスラーで弾きます。
僕の場合、音符が短くなるにつれて弓の使う範囲が小さくなる傾向があって、これを克服するのに結構苦労しています。あと、正しい音程を取るのにも、まだまだ気をつけないとうまくいきません。今はひたすら、弓の使い方を丁寧に、音程を正確に、ということに気をつけて練習しています。
ところで、教本の最後の方を見ると、すさまじい量の16分音符と和音(三重、四重和音!)が書かれていました。今は、こんなのできっこないやと思いますが、1年もするとこの教本もすらすら弾けているんだろうなぁと思うとぞくぞくします。